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エアロビック運動でより効果的に脂肪を落とすには?:「休み休み運動」のすすめ
 運動生理学では、「運動によって体脂肪を落とすには、低〜中強度のエアロビック運動を長時間行う必要がある」ということが半ば常識になっています。実際、アメリカスポーツ医学会(ACSM)の2006年の指針でも、「最大酸素摂取量の40〜60%の強度(40〜60%VO2max)の運動を、一般人では最低20分以上、肥満の場合には45〜60分持続すること」となっています。これは原則的には正しいのですが、たとえ強度が低くとも、45〜60分間も運動を持続するのは簡単なことではありません。そこで、「休み休みやっても効果があるのではないか?」という研究もいくつか行われてきています。私たちの研究グループでは逆に、「むしろ休みを途中に入れた方がより脂肪が落ちる」という確証を得つつありますので、今回はこの点についてご紹介します。

【運動の強さと脂質代謝】
 体内で脂質を分解してエネルギーを得るには、酸素を用いて酸化するしか手はありません。したがって、運動によって直に体脂肪を減らそうとすると、エアロビック(有酸素)運動を行う必要があります。もちろん、安静時の代謝を高めて脂肪を減らすという、もう一方の戦略も重要ですが、今回はエアロビック運動そのものに焦点を当ててお話しします。安静時には、エネルギー源のうちの約半分を脂質が、残りの約半分を糖質が担っています。運動を始め、強度を徐々に高めてゆくと、40〜60%VO2maxくらいまでは、同程度(約50%)の脂質依存度が維持されますが、この強度を超えると、さらに必要となる分のエネルギーは主に糖質によってまかなわれるため、糖質への依存度が高まります。したがって、低〜中強度の運動を長時間行った方が、効率よく脂肪を落とすことができるわけです。時々、低〜中強度の運動をした時にだけ脂肪燃焼のスイッチが入るかのように誤解されますが、そのようなことはありません。

【体脂肪の分解と脂質代謝】
 体脂肪の減量には、最終的に脂肪組織の中の脂肪細胞に蓄えられている中性脂肪を減らす必要があります。脂肪細胞内の中性脂肪は、ホルモン感受性リパーゼという酵素によって、脂肪酸とグリセロールに分解されます。これらが血中に遊離し、筋などに取り込まれてエネルギー源となります。脂肪細胞のホルモン感受性リパーゼは、アドレナリン、ノルアドレナリン、成長ホルモン、インターロイキン-6(IL-6)などのホルモンによって活性化されます。一方、インスリンはこの酵素の活性を抑制し、同時に糖の取り込みを活性化します。

【運動の持続時間と脂質代謝】
 血中の脂肪酸(遊離脂肪酸)とグリセロールを測りながら、低〜中強度のエアロビック運動を開始すると、なかなかこれらの濃度が上昇してこないことがわかります。グリセロールは運動開始とともに徐々に上昇しますが、脂肪酸は15分ほどしてから徐々に上昇しはじめます。いずれも、はっきり上昇したと認められるまでには20分ほどかかりますので、「20分以上運動を持続しないと脂肪は分解されない」ということになります。グリセロールの上昇が比較的早いのは、おそらく細胞膜を通りやすいアルコールだからです。

【運動中のホルモン変化】
 脂肪の分解と血中への放出がなかなか進まない理由のひとつは、ホルモン反応にあります。低〜中強度の運動ではホルモン応答が鈍く、血中のアドレナリン、成長ホルモンなどは緩やかに増加し、インスリンも緩やかに減少します。これと対局にあるのが、筋力トレーニングなどの強度の高い運動で、これらのホルモンはす速く反応します。実際、私たちのグループでは、エアロビック運動の前に筋力トレーニングを行うことで、エアロビック運動中の脂質代謝が増強されることを見いだしました。

【「中休み」を入れた方が脂肪の分解が高まる】
 さて、上記の「筋トレ→休息→エアロ」と同様の効果は、うまくすると「エアロ→休息→エアロ」でも起こるかもしれません。そこで私たちは、60%VO2maxの運動を1時間行う場合と、20分の休息をはさんで30分ずつ行う場合で、ホルモン応答と脂質代謝がどのように異なるかを調べました。その結果、アドレナリン、成長ホルモン、インスリンなどの応答は、運動を分割した方がトータルとして大きくなることが分かりました。また、血中の脂肪酸とグリセロールも、脂質へのエネルギー依存度も、最終的には運動を分割した場合の方が高く、しかも運動終了後にもしばらく高いレベルが維持されました(otoら、2006)。

【理想的なプログラムは今後の課題】
 この結果は、あまりに長く運動を持続するより、適宜「中休み」を入れた方が、脂肪の減量には効果的であることを示唆しています。しかし、何故そうなのかはまだ不詳です。おそらく、運動から脂質代謝に至る数多くのステップのうち、いくつかの箇所は運動を一時停止してもしばらく「オン」の状態にある、すなわち自動車でいえば「アイドリング」のような状態にあるためと想像されますが、今後の研究が必要です。また、「最も効果的な運動時間と休息時間」を知るためにも、数多くの実験を行ってゆく必要があるでしょう。



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